飛鳥 お福 ブログ

ブログBLOG

いつも踊っています♪
日本舞踊家の飛鳥お福です。

失敗。ふぅー。
失敗は嫌ですね。失敗の先に成長があるのはわかっていても、できればしたくないですよね。というのが人情ですよね(*^^*)
私個人的には、意外とお仕事やお舞台での失敗って少なかったと思います。
例えば忘れ物一つにしても、私達の場合は現地調達が難しいので、国内はもちろん海外へ行く時など殊更に入念に忘れ物の無い様に気を付けています。
私は、お舞台に関する失敗よりも、日常の失敗の方が記憶として良く残っています。

失敗して1番泣いたのは、お稽古場のハイエースを壁にぶつけちゃって、左サイドをガーッとへこませちゃった時です。
ドアが開かなくなっちゃって、ホントに大失敗です。情けなくて…泣いて泣いて泣きました。
結局、その後、新車のハイエースがお稽古場にやってきて。
2度と大阪で車の運転はしないと心に誓いました。

あとは、お昼ご飯の支度中。
キャベツを千切りしていて、包丁が滑ってキャベツに添えていた左手の人差し指をザックリえぐってしまって。
もうね。けっこう大きくえぐってしまったのでえぐれた所が皮1枚でくっついてる状態。まな板の上にかなり出血していたのは覚えています。
すぐに左近家元が来て下さって輪ゴムでギリギリ巻きに止血してもらって、お兄さんの運転で、近くの外科で縫ってもらいました。
それがね、冬になるとやっぱり今だに少し痛むんですよね。痛い失敗です。

そうそう船のお仕事も良く行かせて頂いていて。
世界一周する大型客船の中で踊らせて頂くのですが。船は1度乗ると次の寄港地まで降りられませんので、長い日数乗らせて頂く事が多いのです。
出発前日、お夕飯の支度をしてて、冷凍ホタテをレンジで解凍したんですね。
それをどういう訳か、忘れちゃってそのまま翌日からご宗家はじめみんなで船のお仕事へ。
船の中で無事に踊らせて頂いて、一週間後にお稽古場に帰ってきたのですが。
もうね…お台所がすごい臭いなんですよ。
忘れられた解凍ホタテが、レンジの中で一週間私の事を待ちわびていたんですから。
レンジ恐る恐る開けました。すごい状態でした。ここには描写しません。もうね笑うしか無いです。

その他ね、お皿割っちゃったり…、コーヒーメーカー落として割っちゃったり…、「着替えんといて。」って大阪弁を「着替えといて。」と聞き間違えて着替えちゃったり…、肉じゃが大阪では牛肉って知らなくて豚肉で作っちゃったり…。
もっとねたくさん色々と失敗してるんでしょうが、ざっと思い出してみました。ふふふ。

失敗して失敗してね。少しは成長してこれたかな?
と思う今日この頃です。
成長したいですね♪

もっと見る

いつも踊っています♪
日本舞踊家の飛鳥お福です。

昨日は朝から雨の1日。
雨お嫌いでしたのに、また今年も雨ですね。
ザーザーと降り、風もビュービュー吹き。
夕方になりしとしとと静かになりました。

4月5日。内弟子の大先輩 飛鳥峯治さんの御命日。
あっという間に2年の月日が経ち、三回忌を迎えました。

峯治さんを一言で表すと「真面目一徹」。
日本舞踊やお舞台に対する想いは人一倍強く、美しい夢の様なお舞台がお好きで、勉強熱心。
日本国内はもとより、世界中のお舞台で踊られてきた方です。
お稽古やお仕事に対する厳しいお姿は凛々しく、プロフェッショナルとは何たるかと熱く語りながら、様々な事を教えて下さいました。
同じ内弟子として、何年も何年もご一緒させて頂きましたが、妹弟子の私が申すのも何ですが、本当に「努力の人」です。
苦虫を噛み潰した様なお顔で、仁丹を噛みながら、キッチリと物事を進める峯治さんのお姿とは反対に、大阪生まれ大阪育ちのワイワイと明るく楽しいお姿も良く覚えています。
今回はそんな峯治さんとのとっておきの思い出です。

お仕事で香港に行かせて頂いた時のお話です。
海外のお仕事の時は、お衣装、かつら、小道具、和太鼓など大きな荷物やたくさんの荷物を運ぶことが多く、飛行機や船での移動は、無事にアクシデントも無く現地へ行き帰ってこれます様にと、毎回細心の注意を払って臨みます。
※海外のお舞台やお仕事のお話は、また別の機会にゆっくりとさせて頂きますね♪
香港で無事に踊らせて頂き、大成功でお舞台の幕を閉じました。荷物のパッキングも終え空港へ。
荷物を預け、飛行機の出発時間まで香港で過ごす最後のひととき。
出発の時間を確認した後、私は峯治さんと他の先輩方と一緒に、現地のお菓子を試食したり、お土産を見ながらゆったりと空港内を歩きました。
どれくらい時間が経ちましたか、後輩から携帯に電話が。
「お福さん、今どこですか?」と。
「今お土産見てるよ。」と呑気な私達。
「僕らもうすぐ飛行機の中ですよ。もう飛行機飛びそうですよ。」と。
「えぇー!!」と慌てる私達!
何でしょうね。時差の関係かな。
峯治さんの腕時計で確認した出発時間が、何かの関係で間違えちゃったんですね。
峯治さんと一緒にいて、時間を間違えるなんて、まずあり得ない事です。絶対にキッチリカッチリとしてはるので。
そこからが大変です。出発ロビーまでバスか電車か忘れましたが、乗り物で移動しなくてはならなくて。
もう、走りました。
移動中、ドキドキハラハラしながら「早く早く」と心の中で祈りました。
走って走って走って…。とにかく空港の中を走りました(* >ω<)
ようやく搭乗口に着き、危うく飛行機に乗り損ねるところでした。今思い出しても怖いです。
飛行機に乗り込むと、何となくね、薄ら笑いを浮かべて座っている後輩の姿。一生忘れません。私。
「大人になってこんな一生懸命走る事、無かったわ。」と、峯治さんの奥様の飛鳥妙さん(〃´ω`〃)
私もです。一生懸命走りました。
ホントにね。今日の今日まで誰にも言ってないですが、懐かしい良い思い出です。
香港での猛ダッシュは、私があの世へ行ったら峯治さんとしたいお話No.1です。きっと絶対にケラケラ笑いながらあの時の必死な私達を再現してくれるはずです。覚えてはるかな?

最後のお別れの時に、ご宗家が「日本の宝」と峯治さんの事をおっしゃったとお聞きしました。
日本舞踊やお舞台の知識も豊富で技術も抜群な峯治さん。
その早い御逝去は、本当に悔やまれます。

きっともう来世で、嬉々として踊られている事でしょうね。
また来世で皆で一緒に踊りたいですね。
昨日は色々と思い出した1日でした。
雨の音が寂しく響いていました。

※写真は市川右團次さんの番頭さんをしていた時の峯治さん。3代目市川右團次襲名の時の写真です。新橋演舞場にて。

もっと見る

いつも踊っています♪
日本舞踊家の飛鳥お福です。

何をしてても、頭の片隅にはやっぱりいつも踊りがあって、音楽を聴けばこれは表現できるかな?できないかな?などと四六時中無意識に考えちゃってはいます。これはもう仕方ない事ですね。
身体では踊らなくても、頭で踊ってる感じですか♪
そういう意味ではいつも踊っています。

さてさて今回は『ルーティン』です。
先日の「コーヒーを断つ時」にも書きましたが、大きなお仕事が決まるとまずコーヒーを止めます。
次にやることは、プレッシャーと戦える言葉ですね。
『私ならできる。絶対にできる。女なら結果出せ!』
これホントにホントにアホみたく繰り返し言ってきました。
『さぁ、かかって来いよ。どっからでも来いよ!』と同じくらい言ってますね。
大きなお舞台に立つ緊張とか、怖さに打ち勝つとか、そういう事への不安ではありません。
無事に幕が開き、お舞台に穴を開けることなく、自分が自分の仕事をやりきるという事に対しての底知れぬプレッシャーですね。
怪我をしたり体調を崩したりせずに、その他不慮のアクシデントに備えて、万全の環境を勝ち取って、お仕事に向かう為の気合いです。
この、万全の環境を勝ち取るというのが1番大変で、気を揉む部分だと思います。
大きなお仕事に限らず、全てのお舞台においての気構えです。

そして迎えた本番当日は必ず、行きの道すがらロッテのクランキーポップジョイを買って楽屋入りします。
このお菓子は、日本舞踊的には全く意味は無いです(*^^*)
いつ頃始めたのかも覚えてないくらい昔から必ず買ってます。
恐らく、電車移動の時に駅のキオスクで良く買っていたので、その流れで購入して現場に向かうという形になったのでしょう。
地方の公演の時に、マイクロバスで移動させて頂く時も、SAで必ず買っていました。
万が一、行きに買えなかった時は、現場に着いてから近くのコンビニへ行って買います。
面白かったのは、お弟子さんだけがお舞台に立つときも、縁起を担いで買いました。
無意識に買っている…と、自分でもビックリ(*^^*)
いつ頃から発売されているか明確にはわからなかったのですが、恐らく2000年くらいではないか?というネットの記事を読みましたので…かなり長い間、このルーティンは私の中で続けられている模様です。

クランキーポップジョイと言えば、ロッテの70周年を記念して制作された
お口の恋人スペシャルアニメーション「ベイビーアイラブユーだぜ」という作品があります。
冒頭に女子高生の可愛らしい女の子が出てくるのですが、この子がお店で買っていくのがこのクランキーポップジョイです。
そのチョイス最高!と思って初見の時ワクワクしました♪
とっても素敵な作品で今だに何回も観ています。YouTubeで検索したらすぐ出ますのでぜひどうぞ。
https://youtu.be/ddC12lxq69w

最後のルーティンは。
幕が降りている状態での板付き(初めから舞台の上にスタンバイしていること)の時は幕の上がる直前、それ以外は舞台袖でスタンバイしている時に必ず心に留める事があります。
お越し下さったお客様が今日の舞台で、何か感動して頂ける様にとの強い強い強い願い。
無事に今日お舞台に立つ事ができた事への感謝。
これは必ずゆっくりと胸に留めてから舞台に出る様にしています。
数え切れないくらいたくさんのお舞台に立たせて頂いて、長い長い間、お舞台に穴を開ける事なく、大きな事故も無くここまで踊って来られました事に本当に感謝しています。
毎回同じ熱量で感謝する事を続けるのはとても難しい事だと思っています。
良くも悪くも人は慣れて行きますので。
感謝の心も回数を重ねて行くうちに、時と共に慣れて薄れて行くと思います。
そういう自分に決して負けない、感謝し続けて行ける人になりたいと思っています。

ルーティンが舞台に対してどれほど良いのか悪いのかわかりませんが、ずっとずーっとやっています。
クランキーポップジョイがもしこの先、発売中止になったら別の物を探しますね(〃´ω`〃)ふふふ

もっと見る
お問い合わせ
お問い合わせ
飛鳥お福 Facebook

PAGE TOP